RegExp.prototype.exec()
exec() メソッドは、指定された文字列内で一致するものの検索を実行します。結果の配列、または null を返します。
JavaScript の RegExp オブジェクトは、 global または sticky フラグが設定されている場合 (例えば /foo/g や /foo/y) はステートフルになります。これは前回の一致位置を lastIndex に格納します。これを内部的に使用することで、 exec() はテキストの文字列内で (キャプチャグループのある) 複数の一致を反復処理することができます。これは単なる文字列の一致を取得する String.prototype.match() とは対照的です。
より新しい関数として、 (キャプチャグループによる) 複数の部分の文字列の一致を単純化する String.prototype.matchAll() が提案されています。
true か false かを知るために検索を実行するのであれば、 RegExp.prototype.test() メソッドを使用してください。
文字列中での位置を知るために検索を実行するのであれば、 String.prototype.search() メソッドを使用してください。
試してみましょう
構文
js
exec(str)
引数
str-
正規表現の検索の対象となる文字列。
返値
解説
次の例を想定してください。
js
// "quick brown" の後に "jumps" が来るものを、その間の文字を無視して一致させます。
// "brown" と "jumps" を取得します。
// 大文字と小文字は区別しません。
let re = /quick\s(brown).+?(jumps)/ig;
let result = re.exec('The Quick Brown Fox Jumps Over The Lazy Dog');
以下の表は、このスクリプト実行後の result の状態を示しています。
| プロパティ/添字 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
[0] |
文字が一致した部分の文字列全体 | "Quick Brown Fox Jumps" |
[1], ...[n] |
もしあれば、括弧に囲まれた部分文字列が一致したものです。括弧に囲まれた部分文字列の数に制限はありません。 | result[1] === "Brown" result[2] === "Jumps" |
index |
0 から始める一致した文字列の位置。 | 4 |
indices |
各項目が部分文字列の一致を表す配列です。各部分文字列の一致自体は、最初の項目が開始位置、 2 番目の項目が終了位置を表す配列です。 indices 配列にはさらに、名前の付いたすべてのキャプチャリンググループのオブジェクトを保持する groups プロパティがあります。キーはキャプチャリンググループの名前で、各値は、最初の項目が開始項目、 2 番目の項目がキャプチャリンググループの終了位置となる配列です。正規表現にキャプチャリンググループが含まれていなかった場合は、 groups は undefined です。 |
indices[0] === Array [ 4, 25 ] indices[1] === Array [ 10, 15 ] indices[2] === Array [ 20, 25 ] indices.groups === undefined indices.length === 3 |
input |
検索対象となった元の文字列。 | The Quick Brown Fox Jumps Over The Lazy Dog |
以下の表は、このスクリプト実行後の re の状態を示しています。
| プロパティ/添字 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
lastIndex |
次回の検索を始める位置です。g がない場合は 0 のままです。 |
25 |
dotAll |
s フラグが使用され、 . が改行文字に一致するようにしたかどうかを示します。 |
false |
hasIndices |
d フラグが使用され、返値に一致する部分文字列の開始位置と終了位置を持つ indices プロパティを生成したかどうかを示します。 |
true |
ignoreCase |
i フラグが使用され、大文字小文字を区別しなかったかどうか。 |
true |
global |
g フラグが使用され、グローバル検索が行われたかどうか。 |
true |
multiline |
m フラグが使用され、複数行に渡って文字列が検索されたかどうか。 |
false |
source |
パターンの文字列。 | quick\s(brown).+?(jumps) |
sticky |
y フラグが使用され、比較が lastIndex プロパティで示された位置からのみ行われたかどうか。 |
false |
unicode |
u フラグが使用され、パターンが Unicode コードポイントの並びとして扱われたかどうか。 |
false |
例
成功する一致の検索
正規表現で "g" フラグを使用する場合、同じ文字列で成功する一致を見つけるために exec() メソッドを複数回使うことができます。その際、検索は正規表現オブジェクトの lastIndex プロパティで指定された位置の str の部分文字列から始まります (test() も lastIndex プロパティの位置から始めます)。なお、別な文字列を検索する場合でも lastIndex プロパティはリセットされず、既存の lastIndex から検索を始めます。
例えば、次のスクリプトを考えてみてください。
js
let myRe = /ab*/g;
let str = 'abbcdefabh';
let myArray;
while ((myArray = myRe.exec(str)) !== null) {
let msg = myArray[0] + ' を見つけました。';
msg += '次の検索は ' + myRe.lastIndex + ' からです。';
console.log(msg);
}
このスクリプトは以下のテキストを表示します。
abb を見つけました。次の検索は 3 からです。 ab を見つけました。次の検索は 9 からです。
RegExp リテラルでの exec() の使用
RegExp オブジェクトを作成せずに exec() を使用することもできます。
js
let matches = /(hello \S+)/.exec('This is a hello world!');
console.log(matches[1]);
これで 'hello world!' を含んだメッセージをログ出力します。
仕様書
| Specification |
|---|
| ECMAScript Language Specification # sec-regexp.prototype.exec |
ブラウザーの互換性
BCD tables only load in the browser